フラワーEXPRESS

花や花き産業をテーマにした独り言&辛口コメント
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気候に左右される園芸は本当?
 
園芸は生産者から販売店に至るまで、どうしても天気の影響が大きい。
どうにかならないものか、と考えては見るものの、こればかりは対処のしようがない。
今後の予報によれば3月まで寒さが続くらしい。
とは言っても統計というのは面白いもので、年間を通してみればこれまでの平均値を多少上下する
程度でおさまり、それに伴って生産も販売も動くので思ったほど変化は無い。
ただ生産や販売している立場からすると、売れないのは天候のせい、とばかりに責任を回避するが
それはちょっと違うような気がする。
短期的に影響は受けても年間ベースの金額は殆ど変化しない。
それよりも業界の停滞やそれぞれの努力不足、そして時代を眺める視点の判断ミスによる不振が
やはり一番大きいと思う。
そうでなければ15年連続で生産額が前年割れするはずがない。

どちらかといえば「インパクト」が少なく、「静」のイメージが強い園芸は一度経験したブームは別に
して、これからはあれほど弾けるようなブームの到来はないだろう。
それどころか人口減少が続く日本では園芸に生き甲斐や癒しといったものを求める人そのものが
減少してくる。
今後文明発達が続く限り、人々の価値観は今まで以上に多様化する。
そんな中、今の業界の在り方のままで園芸を求める人が増えてくるとは到底考えられない。
こうした現実を踏まえると、業界全体で対策を考えるのは無理だろう。
あとは危機感を持ち、先進性を志向するそれぞれの生産者や販売店が意識や情報を共有して共
に歩んでいくことが求められる。
経済の原則に従えば、市場が縮小するとそれに合わせて生産者も販売店も淘汰される。
その結果需給のバランスが取れてくる。
市場縮小の網の目から生産者や販売店がこぼれ落ちるのは仕方がないこと。
要するに生き残れるかどうかは意識の持ち方と取り組み方次第ということだろう。

それでも天気くらいは味方して欲しいものである。


業界再編

景気の低迷や当該業界不振になると、まず話題になるのが業界再編やM&Aである。

例えば何年も前年比マイナス成長の続くデパート業界は大丸と松坂屋、伊勢丹と三越、阪急と阪神
ヨーカ堂やセブンイレブンを擁する7&iホールディングスが西武とそごうを傘下に収めている。
発展的に合併するところはほとんどない。
なぜ合併するのかと言えば市場占有率を高める意味合いが大きく、生き残るために寡占化を標榜す
るのだろう。
同時に社会的影響を考えて吸収合併する場合もある。

種苗の世界も同じで、世界的に先進国の景気低迷もあって花卉業界の減速が続いている。
ボールがパンアメリカンシードを傘下に収め、今はキーフトもボールの企業グループに入っている。
キーフトは一時期日本に営業拠点を設けるところまで話がでていたが、業績の低迷から断念、それ
どころか自ら身売りしたようなものだ。
シンジェンタはゴールドスミスを買収、ベナリーは某サプライヤーの植物の一部だけ自社ブランドに
組み込み、そのサプライヤー自体は廃業した。
SAHINはタキイに身売り、ずいぶん前になるがデンフェルトはサカタが傘下に収めている。
他にも色々な動きがある。

こうした業界の実態は将来性という意味でも疑問符が付き、業界の先行きに望みが持てないケース
が多い。
園芸業界はその真っ只中にあるといっても過言ではない。

景気の良かった頃の銀行を考えてみるとよく分かる。
当時は都銀と呼ばれていた三井、住友、三菱、三和、神戸、太陽、協和、埼玉、北海道拓殖、富士な
どたくさんあったが、今では合従連衡を繰り返してどこがどれになったのか解らなくなるほどだ。
銀行の場合一般への影響が大きいために破産にはできない。
それ故に余裕のあるところが受け皿になって乗り切ったり、政府が資金投入して助けてきた。

こうした事実をみるとその業界の置かれている現状がよくわかる。
市場が潰れたり、市場同士の合併を繰り返すような園芸業界は、この先の状況はかなり厳しいこと
を意味しているが、ほとんど打つ手がないようだ。
その中で生産者や販売店は生き残らなくてはいけないのだから大変である。
多くの生産者や販売店を見る限り、それほど深刻に捉えていないようだが、実に脳天気に見える。
購買市場が無くなることはないだろうが、さらに狭くなることは確実である。
特に生産者の場合、農業という側面から何とか食っていけるから余計に始末が悪い。
直売に向けて販路を拡大している生産者もいるが、何もしないよりはマシ程度のことである。
それも本格的に参入して3年もすれば頭打ちになるだろう。

さてそれからどうするのだろう?と、いつも思う。
ある意味見物でもある。

色々考えるには今が最後のチャンスかもしれない、と思って対応策を練るべきなのだが・・・


 
園芸消費の回復は・・・?
 
昨日、一昨日と関西に出かけてきた。

某販売店の今年度に向けての取り組み方を説明に行った。
業界の推移を見ていくと今年も底入れさえしそうな状況にはない。
それぞれが色んな動きをして購買回復の手だてを探っているようだが、どうも向いている方向が
間違っている気がする。
生産者と販売店が情報を共有したり消費回復の行動を起こすのは悪いことではないが、その中
心になる購買客に向けての情報共有がどれだけ出来るかがポイントになる。
生産者にとっては直接消費者に関わることが出来るわけではないので、市場頼みか販売店頼み
になるのはやむを得ないが、コアの部分は購入する人々への働きかけや情報提供でしか本当の
意味で市場回復は難しい。
従来から興味を持っている人たちへの働きかけや繁盛店との関係を築くことはとりあえず有益だ
ろうが、新規顧客への誘導装置があるとは思えず、余り期待出来る環境ではないだろう。
狭まった市場の取り合い程度で、そこにおける優劣が付けば付く程度の終わってしまうだろう。
需要の掘り起こしはある程度出来るかもしれないが、新規顧客の獲得には至らない。
特に今の時期は春の園芸シーズンに向かって「何か」をやらなくては・・・という思いが強い。
様々なサプライヤーや市場がイベントを開くのもこの時期だ。
ただ例年同じことを繰り返しているだけで、シーズンが終われば殆ど実効性がない。

市場の活性化は購買客を取り込んで行わない限り新規顧客は取り込めないし、挙げ句は限られ
た「パイ」の中での優劣しかつかない。
そういう意味で「何もしないよりはマシ」ということだ。
まず変わらなければいけないのは販売店であり、そこにおける購買環境の改善ができなければ
全体の底上げには繋がらない。
いずれにしても難しい課題である。

ところで新装オープンした阪急デパートを覗いてみた。
店作りの評価は高く、これまでのデパートとは違った展開をしていることが話題になっていたの
で興味があった。
階層の上部にイベント広場を設けて吉本の芸人さんたちが何かをやっていたが、関心したのは
その建築方法とデザインである。
3~4階分を吹き抜けにして客席は階段状になっていた。
売場を含めた空間利用や展開は非常に面白いと感じた。
コンセプトは「劇場型百貨店」ということらしい。
日本初のターミナルデパートとしてオープンした阪急は、多くの電鉄系デパートの先駆けとなっ
たが、昨今の業界不況、というかデパートの業態そのものが時代に合わなくなっている。
そんな中での生き残りをかけたグランドオープンである。
大阪駅周辺の再開発は注目されていて、これからも続く。
いち早くオープンした三越伊勢丹は予想以上に伸び悩んでいるらしく、最近阪急デパートとよく
比較されている。
食品売場を歩いて見て驚いたのは、多くのデパートが出店しているようなメーカーもあったが、
通常デパ地下と呼ばれるところに入っている店舗以外の新しい店が数多く出店していた。
圧倒的に他店との差別化が為されていて、ちょっと驚いた。

時間が無くて阪急しか見られなかったが、いつかじっくりと周辺を含めた街作りと賑わい演出を
探ってみたい。





企画力

あるTV番組でピンクレディが一世を風靡した背景について語っていた。

それを仕掛けたのはロカビリー歌手として米国の楽曲をカバーして歌っていた飯田久彦さんだ。
当時チャコの愛称で絶大な人気を誇っていた。
ニールセダカやポールアンカの歌を日本語でカバーしたのである。
その後歌手からレコーディングディレクターやプロデューサーとして活躍、ビクターやテイチクの役
員を務めてきた。
今はエイベックスの役員になっているそうだ。
そうして歌手からレコーディングディレクターになった後、「スター誕生」番組でピンクレディを発掘し
て彼女たちをスターダムに押し上げた。
ピンクレディと言えば30代後半から40代までの女性たちにとって、楽曲の振り付けを誰もがやって
のけるというほど人気だったようだ。
「探偵ナイトスクープ」という関西発の人気番組で、当時10代前後だった女性は誰もが、振り付けを
踊ることが出来るという検証をやっていたのを憶えている。
そして、まさに誰もがピンクレディの楽曲ほとんど総ての振り付けが踊れるのである。
それほど圧倒的な人気を誇っていたのがピンクレディだ。
彼女たちをデビューから売り出すまでの企画を担当したのが飯田久彦さんで、彼は当時すでに人
気だった「キャンディーズ」が頭にあったそうで、真似や後追いでは駄目、ピンクレディというオリジ
ナル性を創り出すことによって、キャディーズを超える歌手に育てようとした。
それには「曲」「詞」「振り付け」「売り出し方」総てにおいて、一つの方向性をもって企画を遂行しな
ければ、どれが欠けても成功はしない、という信念があったという。
当時はそれほど企画やプロデュースといったものに重きを置くことが少なかった時代である。
それどころか、今でも業界によってはそれらのことが理解されていない。
例えば園芸業界もその一つだと個人的には思っている。
そうした強い信念を元に実行に移したピンクレディの売り出しは見事成功したのである。

「売り出す」という確率を高める作業は、如何に時代にマッチさせ、人々の心に入り込んでいくか、
そしてその為に必要なモノは何かを探り、売り出しのイメージを膨らませることがポイントになる。
人々に受け容れられるにはどうするか、を考えないで、何事もヒットなどはしない。

これらのことを考えてみても園芸の世界には、こうした発想力や創造力がない。
せいぜい生産者や販売店止まりの企画であり、それも何もしないよりはマシ程度のことだ。
消費者というか一般の園芸好きを巻き込んだり、新規顧客獲得のための企画など、まったく存在
しない。
生産者や販売店、或いはせいぜい市場が絡んで自分たちが自己満足しているだけに過ぎない。
要するに川下からの発想でものごとを考えたり、実行に移すことのできない業種や業界は、幾ら
川下に向かって川上からの発想を押しつけても成功はしないし、実効性に乏しいだろう。
購買力の原点は顧客を知ることから始めなければ、そしてそれに基づいて常に情報を発信し続け
ない限り市場は今後も活性化はしないだろう。





 
複合する苦悩に立ち向かうには・・・
 
これまでにも述べてきたが、園芸を取りまく現況は業界自体の低迷、或いは減少と共に日本全体が
抱えているデフレによる不況がある。
それが克服できない限り、本当の意味での回復は難しい。

厄介なのはマクロ経済における国の経済政策や世界レベルでのグローバル経済下の日本の立ち
位置が関係してくるため、園芸の世界だけでどうにかなるものではないということがある。
為替レート(円高)や国内の金融政策、それに伴った財政の問題などが相まって国際経済での日本
の評価が大きく影響してくる。
これらを如何に解決していくかが政治の責任になるが、今のところ安倍政権は比較的素早い対応策
を打ち出しているようだ。
ただ川下まで影響を及ぼすまでには最低でも2~3年はかかるから、それまでに失速することも十分
考えられるだけに、安心は出来ないだろう。
同時に輸出に頼る日本の企業が国内に市場を求めても、少子高齢化の中で消費は伸びようがない。
海外に顔を向ければコスト競争力で圧倒的に不利な状況は変わらないから、前途は多難である。
ものつくりや技術力で勝負をしてきた日本の企業は、新興国の攻勢に軒並み敗退してきた現実は、
これからの輸出産業をどのように進めていくかが勝負のカギになるだろう。
先日の発表でもサムソンがスマートフォン市場で圧倒的なシェアを誇っている。
こうした現実はものつくりの日本とか技術力の日本などと言っている場合ではない気がする。
それに加えてPR下手の日本は、せっかく素晴らしい技術やものづくりの伝統があっても、それをアピ
ールする手だてが下手ではどうしようもない。
以前にも記したが、パナソニックの社長が「技術力だけでなんとかやっていけると思っていた思い上
がりを反省しなければいけない」というようなコメントを述べていたが、まさにその通りだと思う。

こうしたことをクリアできて初めて所得が伸びることになるし、ひいては消費の改善に繋がる。
要は実体経済に変化が起こらなければ、消費回復は望めないということだろう。
名目上の伸びはマクロ的には評価できても、それが実質所得増やデフレ傾向から脱却しているとい
う感覚が一般の国民レベルで感じられるようにならなくては消費は改善しない。

さらに問題は業界の置かれている状況がある。
これはこのブログで何度も指摘してきているように、魅力を失ったものに消費者は顔を向けない。
そのことが園芸で碌を得ている人の多くが解っていないことが、一番の問題点である。
そこをどのように分析して生産に活かし、そして販売の前線で購買客にアピールするかである。
それには、まずこれまでの生産や販売の方法の否定からでしか解決は出来ない。
市場を失ってきた生産や販売方法に拘ってもトンネルから抜け出せないことに気付くべきだ。
直接売っているのは植物であっても、モノを売る発想から抜け出さない限り、低迷の現状から抜け
出すことは難しいだろう。
それを理解出来る生産者や販売店がどれだけいるかで、園芸が見直されるかどうかだと思う。
実際にそれが理解出来ても解決する方法論や手だてが解らなければ市場は反応しない。

それをどれだけの生産者や販売店など園芸に携わる人たちが解っているかだが・・・・?



園芸の普及曲線
 
消費材について考えてみる時、マーケティングで使われる実践理論に「ロジャースの普及曲線」と
いう理論がある。

商品の普及状況に応じて消費者(生活者)を5つのグループに分けて考えるマーケティング戦略
で、その先頭集団を形成するのが「イノベーター」と言われる人たちである。
次に「アーリーアダプター」と呼ばれる人たちが続き、この人たちに少し遅れて追随するのが「アー
リーマジョリティ」と呼ばれる人たち、そして「レイトマジョリティ」、「ラガード」と言われる人たちが続
くことになる。
簡単に説明すると「イノベーター」は革新者を意味し、多少のリスクを冒してもいち早く新しい商材を
手にする人たちのことである。
「アーリーアダプター」は流行に敏感で、最新のトレンドを読むことに長け、新たな商材が自分に合
っているかどうかを考えて、自分の意志で購入していく人たちである。
この人たちに一足遅れて追随するのが「アーリーマジョリティ」と呼ばれる人たちである。
次に追随するのが「レイトマジョリティ」と言われる人たち、最後に「ラガート」と言われる流行に無関
心で最もおそく新商材を購入する人たちを指す。
こうした仕分けで大きな比率を占めているのが「アーリーマジョリティ」と「レイトマジョリティ」の人た
ちで、これらの人たちは全体の70%近くを占めていると言われている。

こうした生活者の消費性向が園芸にどういった関わりを持ってきたか?
ブームが成長を続ける上で重要な要素の一つである「定着」に移行しなかったのは何故か?
脱成熟市場を目指して、これからの園芸はどうあるべきか?
こうしたことを考える上でも参考になる。

そして園芸に興味を抱く人の多くは女性である。
その女性の購買意欲は男性に比べて10ポイント以上旺盛と言われているが、園芸に興味を持つ
人は圧倒的に女性が多いことは、注目される機会に恵まれれば業界にとって有利に働く。
そうした事実を踏まえて、各層に向けて、どういったアプローチが購買に結びつくかを考えることが
出来れば、市場の拡大が容易になるはずである。
自店がどの層に向かって情報を発信し、足がかりを付けていくかを考えれば良いことになる。
女性特有の繋がりは、特に趣味の世界でより有効に働いていく。

ところが実際には園芸に関して注目されるような情報発信や他分野との競合の中で差別化できる
ような提案や興味を醸成する仕掛けができていなかったことが、園芸ブーム以降の業界全体の停
滞や衰退を招いてしまったのである。
いつまでも同じ商材で、同じ売り方をして注目されるはずもなく、ましてや常に新しい興味の対象
が次から次へと市場投入されてくれば、園芸だけが特別であることなど無理な話である。
自らが常に変化起こし、新たな提案や植物で、使い方や演出を含めての奥行きを示さない限り、
注目に値しないし長続きしない。
バカの一つ覚えのように寄せ植えだけが園芸ではないし、定番種だけで市場が作れるほど奥行き
のない浅い購買喚起で市場など創出できるはずもない。

全く異なった視点や考え方で生活者を取り込めなければ、今後ますます市場は狭まるだろう。

生活者に向けての提案や情報発信が、受け手にとって有益であったり、興味の対象になるには
今後どういった作業を進めるべきを考えなくてはいけないだろう。




生活者の視点
 
新年を迎え3が日も過ぎようとしている。

昨年まで日本の被ってきた現実は、2年を迎えようとする震災や原発の影響、そして政治への不信
から来る閉塞感、そしてバブル以降の20年にもなるデフレ不況など生活者を取りまく現実には厳し
いものがあり、なかなかトンネルから抜け出せそうにない。
それでも仕事の手を休めるわけにはいかないから、悩ましい限りである。
マクロの分野は一企業や一ショップで何とか出来るわけではないので、政治的には時の政権や政
府の経済政策に任せるしかない。
それとは別に当該の業界における対応は、やはり過去の経緯から今日の現状までを振り返って、
これからの方向性を見出すことが必要である。
園芸における問題点は、これまでに何度も指摘してきたし、それが理解出来ないとすればもはや
どうしようもないと思っている。
従って過去を白紙に戻して、一から考えることが出来ない生産者や販売店に向かっての内容には
ならないだろうが、少なからず「このままではまずい」と危機感をもっている生産者や販売店に対し
て少しでもヒントになれば、と考えて今年のブログを始めたいと思っている。

おそらく園芸業界の人には「消費者(顧客)」の顔が見えていないのではないかと思う。
見えていないから購買は増えないし、それどころか毎年のように購買力は低下している。
ということは、少なくとも今のままの生産方法や販売では伸びることは難しいということを示唆してい
るのだが、では何をどのように考えて生産や販売すればよいのかということになる。
やはり原点は生活者(消費者)を知ることから始めなければいけないのは自明だろう。
そのためには精度の高い情報とそれを分析することが必要であり、それによってマーケットの変化
やそれに伴った対応策も生まれてくることになる。
特に震災以降は、それまでの利己的だったり、自己の自立や刺激を求めることや刹那的な快楽主
義から安心、健康、ボランティア、コミュニティといった協同的な心理が生まれてきている。
その端的な例が「家族」への回帰が上げられるようである。
要するに震災によって人々の拠り所になるのは「家族」である、という価値が見直されてきた。
同時に普遍的な要素として時代性があり、これまでグロバール化や情報化、バブル崩壊後の長い
デフレ状態、そして終身雇用の終焉である。
バブルの頃、人々は一つの企業に生涯を捧げると言ったことを嫌い、中には定職に付くことで求め
られる規律や拘束を嫌がって、好きなときに好きな仕事をするという気ままな生き方になってきた。
人手不足に陥った企業は一時期人を確保するのが大変だった時期がある。
ところがそんな身勝手な状況はバブルが弾けてからは通じなくなっただけではなく、逆に職を求め
ることが難しくなり、それまでの売り手市場から買い手市場(企業)に変化した。
そのころできた呼び方が「フリーター」である。
それは結果的に企業にとって雇用調整するにはもってこいの環境になったと言える。
企業にとって一番負担になるのは人件費だ。
それが雇用しなくても派遣や契約社員でしのげれば、責任を持たなくても良いことになる。
結果として企業サイドには都合の良い状況が生まれたことになる。
ある意味で定職を避けていた人が、就職をしようにも出来なくなってしまったのである。
こうした雇用環境は消費の減少を招き、将来への不安を加速させてきた。
その結果収入も二極化し、安定しようにも出来なくなった人がたくさん出てきた。
そうなると自己保身から消費の低迷を生むことになり、今まで以上モノが売れなくなってしまった。
こうした消費環境の変化は業界自体の持っている将来需要の減少傾向と相まって、さらに購買力
の低下を招いているのが園芸業界である。

こうした現状を考えたとき、生産から販売に至るまでこれまでと同じことをしていたのでは、需要喚
起は出来ないということを、深刻に受け止めなければいけないだろう。
個別の生産者や販売店はそれぞれの努力によって善し悪しはあるだろうが、業界全体の浮沈は
大きな流れとして減少に歯止めがかかっていない現実は重い。

それではどのように考えて今後生き残りを図っていくか?
まずは生活者の視点、消費性向や心理を考えることから分析をしてみたい。

 ※次回に続く



ガーデニングの本家英国の発想

マーケットに並ぶ色とりどりの花、そして様々な花苗・・・

英国はガーデニングの先進国、というか植物が生活に根ざした国である。
まず「こうでなければいけない」とか「こうあるべき」という考え方で生活に定着している訳ではない。
日本の場合、生産から販売に至るまでいかにもマニュアル的で、個性がない。
生活の中に根ざすと言うことは、その人のオリジナルな表現が如何にできるか、ということである。
そうした発想を活かした店や、それを提案できる関係者が少ない。
前にも記したが、元々ビジネスとして成り立ちにくいものを、無理矢理マニュアルに押し込んでいく
生産方法や販売の在り方は馴染まないのである。
そうはいっても職業として生産や販売に携わる限り、出来るだけ生活に根ざして貰うにはどういっ
た提案の仕方やガーデニングの在り方がより良いのか考えなければいけないだろう。
植物の使い方の発想が乏しければ早く飽きられてしまう。
これまで1年草定番種に拘る日本の花苗生産や販売の批評を繰り返してきたが、決して否定して
いるわけではない。
只、今の業界の在り方を考える限り、また消費市場として植物を捉える限りは同じモノが何年も
変わらず販売店に並んだり、提案の無い状態で毎年同じサイクルで植物が市場に溢れてくれば
飽きられてくるのは当たり前の事である。
それを変えることが可能な場所は、直接消費者と対峙する販売店しかないのである。
だからどこの店を見ても並べ方も同じ、提案など皆無、植物も同じでは市場が停滞したり、衰退
するのは至極当然だということに気付くべきなのだ。

元々趣味の世界は生活に根ざせば根ざすほど自由な発想とアイデアで、テーマを持って庭を飾
ったり、ベランダを利用したりして植物を楽しめるはず。
ところがそれに照準を合わせて、もっと言えば植物と関わって生活したい、と思って貰えるような
提案が全く出来ていないのが、この業界だと思う。
それはフランスに住む花を生活の糧している友人の言葉でもわかるように「日本の花屋さんはど
こに行っても同じで、見せ方も画一的、まるでこちらの花屋さんの倉庫みたい」といっていること
でもよく分かる。

例えばガーデニンググッズを扱っていても、それがどんな使い方をするのかまでは考えていると
は思えないような飾り方だったり、単純に「興味があれば買って」という程度の見せ方や並べ方で
しかない。
要するに材料はそれなりに揃ってはいても、それを有機的に結びつけた提案によって販売されて
いるとは言えないのである。
顧客との関わりで何が重要で何が求められているのか、を理解しないままに植物を売ってきた限
界が、今の底の浅い日本のガーデンニングだと思う。

もう一度ガーデニング本家の事情や考え方を踏まえて、それを日本に純化させる方法を模索する
必要があるのではないか。





 
園芸にマーケティングの視点を

電通総研が今年話題の注目商品のランキングを発表した。

消費者の視点からのランキングと言うことなので、時代が反映されて色んな意味で参考になる。
1位は3年連続でスマートフォンであり、これはランキング調査開始以来最長記録だという。 
2位はスカイツリー、3位フェイスブック、4位ロボット掃除機、5位塩麹・・・あとはスギちゃん、地方
のゆるキャラ、AKB48、オリンピック、格安航空券と続く。
躍進著しいのは塩麹だろう。
こうしてみると何故それらが注目されるのか、が何となく読み取れるのだ。
例えば「スマートフォン」が何故3年連続で1位なのかを考えてみると、その理由は一つだけではな
いことが分かるはずである。
電話機能とネット機能を持たせた上に、さらにあらゆるソフトは日ごと充実していて、もはやちょっと
した情報端末といっても過言ではない。
新発売される機種は機能やアプリの充実や強化をして、将来的に所有率は80%を超えるだろうと
言われている。
これをプロダクト・ライフサイクルにあてはめてみると、まさに成長期の製品(商品)と言える。
昨今はこのライフサイクルが早くなっていて、長い成長は望めない。
製品を導入して成長→成熟→衰退の経過を辿るが、消費者を対象にしたものである限り、この法
則から逃れることは出来ない。
前にも指摘したように、例えそれが植物であっても消費財として市場で販売される限り、法則に従
ってそれぞれの品種は動いていく。
それと共に業種自体のライフサイクルもあって、少なからずブームがあれば移ろいやすい人々の
関心は移っていくことになる。
それを如何にコントロールしながら興味や趣味の対象として持続して貰うか、という発想がなけれ
ば、商売としては成立しないし、いずれは市場が狭くなっていくことになる。
そのことについて生産者も販売店も知らなくてはいけないし、それをコントロール出来るだけの考
え方をもっていなければ、ただ漠然と同じ植物を生産し販売するという構図は衰退するだけである
が、こうした理論がまるで解っていないのが多くの生産者であり、販売店である。
いつも言うように植物だから特別と言うことはあり得ない。
まして時代のトレンドや興味の対象が変われば、少なからず影響を受けるに決まっている。
それにも関わらず毎年のように同じモノを生産し、同じ売り方で消費者に対峙すれば、売れなくな
るのは当たり前である。

そういった意味でも今回ランクインしたスカイツリーやスギちゃん、塩麹なども来年はランク外に
なるだろうことは容易に想像が付く。
であれば植物の生産の在り方、見せ方、販売店頭での顧客アプローチの仕方によって変化を興
さない限り、今後ますます需要は減少するだろう。
その端的な例がパンジー、ビオラが以前ほど売れなくなっていることをみても解るはずである。
それを何とか売ろうとしても限界があり、ちょっとした目先を変えるだけでは需要の回復は無くなっ
てきていることに気付くべきである。
まずはそこの視点からどうするか、ということを考えなければ園芸需要の回復はない。

もっと頭を使い、知恵を絞り、グローバールなセンスで市場を眺めながら今後の展開を組み立て
なければいけないことが理解出来るはずである。



あっという間の1年

早いもので今年もあと1ヶ月を切った。

日暮れも早く5時を過ぎるとつるべ落としのように暗くなる。
気象に詳しい人の話では、今が1年で一番日暮れが早い時期らしい。
毎年のことだが、一部の生産者や販売店を除き良い話は聞かない1年だった気がする。
昨年から本格的にアドバイスをしている専門店は、今のところ私が描いてきた軌跡を無難に辿って
きているようで、少しは安心しているが、油断は禁物である。
明確なコンセプトに基づいた店作りを進めてきたが、不景気なこともあって、やはり時間がかかる。
この秋シーズンが正念場と踏んでいたので、とりあえず前年比をクリア出来たようで役目を果たし
たと思っているが、これを維持、そしてさらに飛躍するにはまだ数年は必要かも知れない。
とにかく全般的な景気の冷え込みや消費の停滞は、やはり園芸にも大きく影響している。
単純に景気動向だけに気を配ればよいのとは違って、園芸業界は構造的な問題を含んでいる。
それが結果的に2重3重の不振に繋がっている。
まるでヘレンケラーのような状態だ。
ヘレンケラーは壮絶な自助努力と先生のお陰で社会復帰を果たして、世界的にも有名になったが
園芸は自身が重症という感覚がないのだから、もっと深刻かも知れない。

多くの販売店が、この9月は前年を割り込んでしまったようで、全般に良い話は聞かなかった。
アドバイスをしてきた販売店は10月11月共に売上を伸ばしてきた。
問題は 12月だが、少なくとも10月前後の売上に重なるくらいの実績は出るだろうから、まずは
合格点と言って良いだろう。
しかし暢気にしてはいられないこともあって、勝負は来春のシーズンがどれだけ前年割れから
回復基調に乗ってくるかだと思っている。
一方で某企業のコンサルで、あるものを売る仕掛けを実践しているが、なかなか大変である。
どの業界も生き残りをかけて日々の実績を一喜一憂しながら見てきているが、この状況下での
売上増や顧客数の確保は並大抵のことではない。

いずれにしても日々の努力と、その積み重ねでしか好転は出来ないはずで、いち早くそれに気
付いて生産や販売に活かして欲しいものである。