フラワーEXPRESS

花や花き産業をテーマにした独り言&辛口コメント
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人心掌握の妙
 
昨日に続きサッカー日本代表監督に学んでみることにする。

このブログで顧客対象の商売は、その心理を読んで生産も販売もしなければ駄目だ、
と常に言い続けている。
なぜそれが大切かと言えば、当たり前のことだが、人は自らの意識、或いは意識下
のもとで購買行動を起こす。
その購買を促す販促活動には、時代に適応した情報発信や購買動機を刺激するツー
ルが必要になる。
それは決まり切ったマニュアルで実行できるものではない。
日頃から時代背景や該当する業界の経営環境、或いは商業環境の現状分析を行い、
それを元に消費心理に適応するような生産・販売がされているか?
また自店の顧客評価はどうなのか?・・・等を把握して、ミスマッチになっていれば
それに修正を加えなければ、いつまで経っても平行線のまま交わることはない。
結局消費環境の改善はできないだろう。
本来は業界を挙げて消費回復を図らなければいけないが、残念ながら確固たるリー
ダーシップを備え、明確な理論をもった人材がいない。
自身の関わる当面の利益には敏感でも大局的に業界の活性化を目指して行動してる
人はいない。

そうなると危機感を持っている生産者や販売店自らが何らかの行動を起こす必要が
ある。
その一番目が人の「心理」を読むことだろう。
自分が顧客の立場なら何を欲し、どういう基準で店や商品を選択するのか、或いは
もはや草花に興味さえ無くなってしまったのか、それはどうしてそうなったのか?
考えられるケーススタディはいくらでもある。

代表監督ザッケローニは「選手の性格や考え方を知った上で、その選手にあったア
ドバイスや理論を伝える」と話している。
選手の話でも「細かいところまでわかりやすく話してもらえる」と言っていた。
それには選手とのコミュニケーションが一番大切であり、選手の心が読めなければ
対応できないだろう。
23人の代表選手で二人ほど試合に出られなかったが、その選手たちへの気配りも
忘れていない。
控えの選手がモチベーションを保てるように監督と共にスタッフも気を配ったそう
だ。
そのことは選手たちが常に話していることでもわかる。

どの世界だろうと対象が「人」である限り、園芸消費についても例外ではない。
生産理論や販売理論と共に、消費者の購買動機や心理を知ることで、生産者や販売
店がしなければいけないことが分かってくるはずである。

指導者
 
スポーツは面白い。
プロが出来てサッカーを比較的興味をもって見るようになっている。
以前はプロ野球一筋だったが、最近の興味はサッカーが中心になってきた。
もちろんサッカーにしても野球にしても地元チーム中心の見方になる

日本の場合、やはり華やかさとかマスコミの露出度では地方にとって圧倒的に
不利になる。
やはり都会のチームに注目度は集まるし、取材対象にもなりやすい。
プロにとって報酬と共に注目度を考えると都会に位置するチームに入りたいの
は理解出来るが、特にサッカーの場合、チームの戦術により選手にとってレギ
ュラーが取れるか、或いは機能するかどうかで変わってくる。
その中で柏でくすぶっていた李忠成が「自分の考えているサッカーにもっとも
近く成長できる」と移籍してきたのがサンフレッチェだった。
同じように苦境に陥った大分から「自分が移籍することで大分に少しでも移籍
金が入るなら」と思い、「サッカーをやるならキーパーも攻撃の起点にして戦
術を組み立てるチームに」ということでサンフレッチェを選んだ西川。

地方のチームは決して裕福ではないから、選手を育てることでしか対応できに
くい。
某埼玉のチームはお金のものを言わせて選手を獲得する。
だからといってそんなチームが勝つとは限らないから面白いのだが、自分を過
信してそんなチームに移籍する選手も多い。
しかし指導者によってさらに成長出来るかどうかが変わってくる。

素人の私には戦術や技術的なことはよく分からないが、たまたま苦し紛れの奇
策でWカップベスト16になった岡田監督とザッケローニ監督の姿勢の違いは、
はっきりしている。
まず選手の選び方や選出するときの試合観戦姿勢が全く違う。
ベスト16になったことで、それまでボロクソに言われていた岡田監督が、いつ
の間にか「ゴメンね、岡ちゃん」に変わるマスコミや一部のサポーターの豹変
ぶりには呆れてしまった。
個人的には岡田監督の選手選出や起用、戦術は全く駄目だと、今でも思ってい
る。
たまたま苦し紛れの策が当たっただけのwカップである。
あれだけ中村を中心にした選手起用をして、さながら中村と心中でもしそうな
勢いだったチームが、最終的には彼を外し、結果的にそれが当たった。
中盤でパスを回し続け、結局ボールの出しどころがなくなって、バックパスの
連続。
一体何をやりたいのかわからないチームだった。
結果的に中村の評価は地に落ちて、ある意味彼も岡田監督の被害者だった。
それに比べて偏った既成概念のないザッケローニは選手を選ぶにもこまめに都
会、地方に関わらず見て回っていた。
おそらく彼の監督経験から目指すサッカーに合った人材、それも国際経験のあ
る選手と共に次期wカップにピークを迎える年齢を考えた選出している。
きっとそうした考えを元に今後も選手発掘を続けるだろう。
今回のアジアカップでの彼の選手起用や選手の試合後コメントから監督の姿勢
がよくわかる。

こうしたスポーツからでも、如何に指導者の能力が重要なポイントになるか理
解出来る。
そして既成概念のない考え方が如何に大切かということだ。
得てして日本では経験論を盾に新しい発想を排除する傾向がある。
経験は大切なことだし、それを元に危機から救われる場合も多いが、それだけ
では新たな展開は図れないことも事実としてある。
要はどちらが欠けても駄目なのだ。

園芸の世界も同様で、従来の考え方で行き詰まってしまったら、新しい価値観
を導入するしか打開の道はない。
そのあたりのことを生産者や販売店は真剣に再考する必要があると思う。
簡単に言えばマクロのマーケティング志向とマネジメント能力が、今の業界に
はないというこである。


雑記 | 22:48 | comments(0) | - | - | - |
危機感
 
所用があり生産者の方何人かに連絡を取った。

その中で気になったのは、やはりこの業界の行く末である。
特に立ち上げたときから付き合いのある生産者との話では全く先が見えないような
話題が中心になってしまう。
特にそんな生産者にすこしでも役立てばと考えて動きを活発化させているが、短期
間で一気に回復に持ち込める話はないのが、悩ましいところだ。
今更犯人捜しをしても仕方ないので、現況を変えることが出来るとすれば、やはり
消費者と直結する販売店の意識改革と店舗の活性化が一番の重要課題だと思う。
同時に生産者もアイテムを含め従来の生産方式をもう一度整理して見直しを図るべ
きだと思っている。

その手助けがどれだけ出来るかはわからないが、とりあえず一歩ずつ進むしかない。
あるガーデンセンターの流通部門は色々動きを活発化させているようで、この動き
は企業として考えた時当たり前のことだが、一番根本の問題である消費の回復とは
縁遠い。
とりあえずの動きとしては仕方ないことなのだろうが、衰退する産業で市場占有率
を高めることでしか伸びていけないのでは、いずれ限界が来る。
表現は悪いが限られた食べ物にたむろして群がっているようなものである。

市場の拡大というテーマはミクロとマクロで考えなければいけないが、今の動きは
ミクロの動きでしかない。
消費者の発想とか顧客の心理ということを抜きにして活性化できるほど市場は甘く
ない。
そこをどう捉えて生産し販売するのかを考えない限り、消費の回復は望めないが、
どうもそこが抜け落ちている気がする。
人間はどうしても目先の利益を優先する傾向があり、物事を俯瞰してみる訓練が出
来ていない。
人との関わりもそうだが、将来を見越して「この人は」という見方が出来なければ
表面上の付き合いで終わってしまい、あとで「あの人は大した人だった」と思って
も後の祭りと言うこともある。
一番苦しい時期に「何」を考え、どう「行動」するかだと思っているが、なかなか
それが出来ないのが人間かも知れない。

今、少なくと生産者、販売店共にこの逆境の中で何を考え、どう行動を起こすかを、
好むと好まざるとに関わらず試されている。

生物であることの意味
 
NHKラジオを聞いていたら、和牛の話をしていた。

内容はドイツに和牛を飼っている生産者がいるという話と共に、レストランで出される
和牛のステーキが、神戸牛の場合100gが4万円もしたという。
日本でもブランド牛はそれなりに高い値段で売っているが、いくら何でも100g4万円
は異常に高い。
それだけ付加価値があるのだろうが、誰が注文するのだろう?
しかし需要があるからその値段でも売れるということである。

何故それだけの価格になるのかは幾つかの理由が考えられる。
まず神戸肉自体が高いこと、さらに輸送量や関税がかかるのだろうが、それでもそこま
ではかからないと思う・・・・?

また和牛を飼っている生産者がドイツに何名かいることにも驚いた。
何故和牛を飼うのか?
一番大きな理由は価格で付加価値が付き、高い値段で取引されることだろう。
同時に和牛はそれほど品種改良が施されていないために強健で育てやすく、肉質も優れ
ているらしい。
米国ほどではないにしてもヨーロッパでも合理性や効率を優先した改良が行われて、市
場投入が早くできるらしいが、肉質の良さや育てやすさ、そして強健と言うことからは
ほど遠いという。
どの世界でも産業化する場合には効率を考えることになるが、その総てを否定するもの
ではないにしても結局は非効率を嫌うだけが、良い生産者ではない。
ことわざに「急がば回れ」ということがある。
高品質=高効率ではないことを、生産者はもっと真剣に考えるべきだと思う。
特に農業、なかでも食に関するものは安易に生産性を追求すれば良いと言うものではな
い。
最近は安全性を重視する消費者が増えて、少し高めでも有機栽培の野菜や米を購入した
り、顔の見える生産者から直接購入したりする人が増えている。
直販の販売店や道の駅などでは農業産品に名前を入れてある場合が多くなった。
名前を入れたからといって相応のプレッシャーがあるとは思わないが、それなりの責任
感みたいなものは芽生えるに違いない。
消費者側もそんなこと一つであっても商品と共に安心も買っているのだ。

そんな時代に花卉生産者の植物薬漬けはどうなんだろう?
旧態然とした生産方法や効率優先の物流をみても、問題だらけ花卉園芸の世界である。
こんな状態で「新たな発想」といっても何も感じない生産者が多いのかも知れない。



雑記 | 22:24 | comments(0) | - | - | - |
どうしようもない苗もの
 
昨年購入した「ハボタン」と「プリムラ」の話。

あれでもプリムラは少しは動き始めたようだが、ハボタンは全く動く気配はない。
寒い日が続くので、その影響もあると思うが、それにしても全く成長しないのは
問題である。
まるで置物のように小さい状態で止まったままだ。
それも比較的肥沃な状態に土地改良した地に植えているのにこの有様。
プリムラはほんの僅かだが成長しているようだ。

こんな苗ものの状態を見るとがっかりする。
コンパクトに収まり止まっていれば良いと言うものではない。
どちらかと言えばよほどまずい作りのもの以外、苗ものの出来具合はあまり気に
しないのだが、特に薬で止めた状態のまま、いつまでもその影響を受けている草
花を見ると「一体どんな生産者なんだ」と思って、会って文句の一つも言ってみ
たくなる。
まあ、枯れないだけマシか、とあきらめ半分で思っている。
どう考えてもこの業界は植物特性を活かしたものを作るという発想がないようで
ある。
どこまでも不健全な状態でここまできた業界なんだろうな、と思いたくなる。
確かに商品化するというのは、ある程度「見栄え」が良くなければいけないのは
分かる。
しかし度を超した「見栄え」優先というのは、いささか疑問が残る。

生産者の生産技術はピンキリだと思うが、生産マニュアルにおける苗ものの標準
化というのは問題がある。
特に西日本の生産者の仕上げ方は感心しない。
それを要求する市場、またそれが当たり前と思っている販売店の意識はどうしよ
うもない。
「生き物」という観点で理にかなったものなら納得できるが、これだけはどう考
えても理にかなった生育管理方法とは思えない。

ある時、顧客が苗ものを見て「この花は徒長している」と一端の意見をいってい
たのを思い出す。
その苗ものは決して徒長していたのではない。
正常な状態で成長していただけだが、薬で抑えられた苗ばかり見てきた顧客まで
が、その花の特徴も知らず半端な知識でもっともらしいことを言っていたのであ
る。
要するにどこからか入手した誤った考え方や見方で、そう思ったのだろうが、顧
客までも誤った知識に毒されている業界なのかも知れない。
そうかと思えば、花の特徴をよく知っている顧客は「これはこんなに小さくまと
まっていませんよね、もっと大きく伸びるはずだと思うのですが、成長不良です
か?」と言う人もいる。

結局花卉園芸の世界は歪な状態で成長してきたのだろう。


花壇苗生産 | 23:13 | comments(2) | - | - | - |
企業努力
 
あるクイズ番組を見ていると、明らかに世の中から遅れている自分に少し焦ってしまった。
最近のカラオケは歌の上手下手に応じてプロモーションビデオの結末が変わるものがある
という。
そしてそれが人気らしい。
特に大勢でカラオケにいけば盛り上がるだろうことは想像できる。
最近のカラオケはそこまで進化しているのかと驚いてしまった。
顧客心理を掴む一つの要素として開発されたのだろうが、顧客のリピートを呼び込む手段
としてはかなりの効果があるだろう。
また別冊マガジンに連載されている某漫画が単行本化されたところ3冊で200万部を売り
上げたという。
漫画やアニメは読まないのでどんな漫画なのか全く分からないが、内容も面白いらしい。
問題はそれだけで単行本が売れたのではないと言うことである。
出版元の担当者の話では別冊マガジンの発行部数は5万冊(?)、それにも関わらず単行
本だけ売れているのは、どう考えても数字的に納得できない。
なぜそんなに売れたのか?
その理由は定期の週刊マガジンに読み切りの漫画を載せて、その漫画の面白さをアピール
したことによる効果だという。
いくら面白い漫画であっても5万部程度、それも別冊掲載のものが単行本を発行したとこ
ろでそれだけではそんなに売れるはずがない。
読者への訴求力を効果的に上げていったことで人気漫画として単行本化したものが売れた
のである。
売り方一つでヒット漫画になったわけだが、如何に内容が面白くてもそれだけでは売れる
ことはなく、売るために取った仕掛けが、その漫画の価値を上げたことになる。

この二つの話に共通しているのは「顧客心理」を見通して、どうすれば注目されるかを考
えた上での仕掛けであり、その的を外さない限り確実に消費者心理を掴めるという典型的
な話である。
雑記 | 09:42 | comments(0) | - | - | - |
四国へ渡る
 
昨年後半から今年にかけて3度目のしまなみ海道を駆け抜けたことになる。
昨今のB級グルメブームは他県に出かけると新しい食べ物に出会いがある。
もともと愛媛県は温州ミカンに代表される柑橘類の産地で、それに合わせた土産物が
多い。
それ以外では「坊ちゃんダンゴ」に「ジャコ天」、瀬戸内海産の海産物がある。
来島海峡大橋の今治側傍にあるSAの食堂では「ジャコ丼」や魚類の定食、鯛めしな
どが地元名産の食べ物として売られているが、中でも今治のB級グルメとして「焼き
豚丼」が加わっていた。
焼き豚に目玉焼きを載せて少し甘いタレをかけただけのものだが、素材が嫌いでなけ
ればまずいはずがない。
ほかにも今治は焼き鳥が昔から有名で、焼き鳥の店がやたら多い。

そんな四国今治だが、ここでも地元農協が地産地消にあわせた比較的大きな直売店が
あり、オープン以来たくさんの人出で賑わっている。
オープンして間もないことや駐車場も広く取り、カフェや店舗の複合化を図っている
ことから、来客が絶えないのだろう。
いずれは来客の勢いも衰えるだろうから、それからが本当の意味で勝負になる。
商圏範囲の顧客が一巡してからの運営ソフト(企画)が業績を左右するに違いない。
扱っている商品を見る限り、結構面白いものがたくさんあり、当分は消費者の支持を
受け続けるのではないかと思う。
近辺の人たちがスーパー感覚で食材購入にきているのだろう、惣菜も農協婦人部あた
りが得意なものを作って販売しているようで、いくつか購入して帰って食べたところ
結構美味しい。

最近は道の駅しかり、こうした農協や地元自治体などが協同で運営する生産直売の施
設がたくさん出来ているようで、民間の企画運営会社が参画しているものまである。
その内容は地元産品を売っていくという意味では似たり寄ったりだが、その後の運営
企画で来客数の増減に関わってくるような気がする。

ところで四国に渡った今回の目的は勿論生産者を訪問することだった。
色々差し障りがあるので詳しいことは言えないが、これからの生産の在り方や売り方
を話してきた。
この生産者の植物は関東以北を除き、ほぼ全国に流れている。
それでも市場の衰退化や将来の展望を考えた時、決して安閑とはしていられない。
それだけの危機感を持っていることは、今後の行く末に不安があるからだろうが、そ
の意識は決して間違っていない。
こうした意識を持とうとしない生産者や販売店が殆どだから、業界に未来が感じられ
ないのである。
市場の活性化の原点はそれぞれの危機感から新たな発想や動きが出てくるものだ。
こうした人たちがもっとたくさん出てくることを願ってやまない。
残されたかすかな光や希望は彼らによってのみ開けてくると思っている。



雑記 | 10:00 | comments(0) | - | - | - |
生産者といえども経営者
 
花卉生産者は「経営」についてどんな考えを持っているのだろう?

あくまでも私見だが、目先のことはともかく視野の広い将来を見据えた経営感覚と
いうのはないような気がする。
それよりも技術者の感覚に近いのではないかと思う。
もちろんそれでも良いのだけど、もし技術者としての感覚だけで生産販売が成立し、
安定した生産額が確保できるならば・・・という条件が付く。
しかし残念ながらそれは現実的ではない。
市場経済の範疇で生産出荷している限り、どうしてもコスト意識、市場原理、そし
て最も重要な購買における時代性と消費感性は避けられない。
大きく分ければ生産における「マネジメント」と出荷販売の「購買意識の把握(消
費者心理)」である。
どちらが欠けても成立しない。
いくら売上げを伸ばしてもマネジメントがしっかりしていなければ利益は生まれて
こない。
また購買心理を把握できなければ、いくらマネジメントがしっかりし、高品質のも
のを生産しても思ったように売れることはない。

さらに問題なのは、先ほど技術者の感覚と言ったが、それもアイテム上極めて狭い
範囲の技術でしかなく、そこから外れたアイテムにはその技術が通用しないケース
がある。
要はマニュアル化された中での技術であり、マニュアル化されたもの以外にはほと
んど無意味に近い。
その上マニュアル化されたものは、誰もが簡単に参入が可能であり、常に競争や競
合の中でしか存在できない。
従って市場が飽和状態になるのが早いと同時に、購買層から飽きられるのも早くな
る。

経営は利益を生み出すためにあらゆる手段を講じて、経済学、商業学(マーケティ
ング)、社会学、心理学等を駆使しながら自らの生産や販売に生かしていくことで
ある。
100%の理論はないが、如何に自らの生産販売に適した理論を見つけて100%に近
づけるかである。

その確立を高めることで独自性や差別化への道が開けてくる。


花壇苗生産 | 10:53 | comments(0) | - | - | - |
エシカル消費

日経MJに「エシカル消費」という言葉が出ている。
マーケティングは常に新しい動きや消費を基に時代を分析し消費構造を紐解いていく。
この「エシカル消費」と言うキーワードは倫理的消費ということ。
記述によれば欧州では2004年頃から大きな流れになっているらしい。
具体的には「伝統的なもの、地場のもの、きちんと作られたものを大切に使い、環境
破壊や貧困、格差、人権侵害につながる商品は遠ざける(*日経MJより抜粋」こと
だという。
米国風の安値大量生産、大量消費とは真逆の考え方である。
日本では特に若い人たちにその傾向が見られるという。
それに気がついた企業はその市場に合った商品を投入して売り上げを伸ばしている。
その典型がファーストリテーリング(ユニクロ)である。
ユニクロは決して安いだけで売れているのではない。
シェアハウスや古着、エコ消費などといった新しい市場が生まれ、注目を集めている
こともその証明でもある。
シマムラにしてもデザイン性はともかくとして安いだけではなく、一点もので勝負を
している。
店内には若年層から高齢層までまんべんなく人が いる。
一方でファッション性を志向する人たちはセレクトショップに目を向け、それにより
「ユナイテッドアローズ」や「シップス」といったショップブランドの元気さが目立
っている。
高度成長やバブルを経験した人たちから見れば理解出来ないかもしれないが、社会に
おける市場性の変化は明らかに時代ごとに変化しているのである。

こうした現実を踏まえて「消費者」と「購買者」を分け、その心理や行動の背景にあ
る消費マインドに触れる琴線を探す研究が盛んに行われている。
例えば「食べるラー油」が何故売れたのか?
理由はひとつだけではない。
それに注目して取り上げた雑誌の影響やその後マスコミで話題になったこともあるだ
ろう。
その仕掛けについての説明は省くが、今の時代は情報の早さは尋常ではない。
僅かな人が注目したことでもその人たちが発信にした媒体によってあっという間に全
国に拡がっていく。
その仕掛けを動かしていく会社があるくらい、「売る仕掛け」は注目されている。
基本は口コミを利用した情報の拡散にある。

そんな時代背景の中で今後「花卉園芸」はどうするのか、注目してもらうには何をし
なけれいけないか、こうした社会の変化を考えていけば自ずから答えは出ている。
少なくとも従来の生産販売の在り方では消費者の購買力は回復しないだろう。
最近道の駅で規格外野菜がよく売れているという。
地産地消という概念にも後押しされている。
一つ一つ今現在起きている現象を分析していけば自らが関わる仕事に当てはめて考え
ることについてそれほど難しいことではない。
問題なのは考えようとしない、或いは自らの仕事に当てはめて考えていく力を持たな
い業界体質に大きな欠陥がある。

今はまだそれほどでもない「エシカル消費」の考え方は何年か後に現実のものになっ
ていく可能性があるかもしれない。
どんな状況下であろうとも、その時代の要請を受けた消費環境や購買心理に対してき
ちんと対応できる生産者や販売店
でなければならない。


もう少し「消費者と流通」
 
花卉園芸と関係ないと思わないで読んでもらいたい。
というのも、しつこいほど言い続けているように産業と名の付くもの、購買対象が
消費者であるものは、その理論や実践を無視して小売業(生産販売)は成り立たな
いからだ。
その基本に「業種」と「業態」があり、その違いを知らなければいけない。
経済産業省(旧通産省)の商業統計は取り扱っている商品によって「日本標準産業
分類」に従い分類されている。
この分類による分け方が「業種」である。
ところが昨今はこの分類では括りきれない小売業がたくさんある。
例えばスーパー、コンビニ、ディスカウトストアを始めとして、ドラッグストア、
HCなどもこの分類の範疇をこえた商品を販売している。
取扱商品の多様化は業種を超えたところで販売活動が行われているのである。
これらは経営戦力上の理由から品揃えや店舗開発が行われているために分類が難し
くなってしまったのだ。
こうした販売店は「業態」という呼ばれ方で分類することになる。
業態による分け方は店の性格をよく表すことができ、「何を売るか」ではなく「ど
う売るか」で分けている。
ところがそのわけ方はともかく、今では「モノをどう売るか」ということも限界が
あり、顧客志向に基づく商品構成とサービスを含めた対応が重要になっている。

日本の場合多くの流通業は米国を参考にした販売システムを基にして発展した。
しかし成長期には適したシステムだったが、市場が成熟し、消費者の個性化や多様
化により従来の米国型産業の在り方では限界を生じてきたのである。
先のブログでも指摘したように「ガーデンセンター」もその一つである。
経営効率や販売効率は経営上重要なポイントであることは間違いないが、それはあ
くまでも内部的問題を処理する場合には大いに結構なことであっても、それが結果
的に購買客に押しつけるような形での商品構成だったり、顧客志向を無視した方法
で生産販売されると消費者は必ず去っていく。
前日のブログで消費者対象の生産販売は「変化対応型産業」でなければならない、
と言った理由がこうしたことでも分かると思う。
役所でさえサービス拡大を意識して公共料金のコンビニ支払いが出来るようになっ
ている。
便利性を提供することで収納効率を上げる手だてでもあるし、市民の生活が画一的
なものではなくなっていることに対応した動きである。
ましてやお金を支出して買ってもらうにはどうすればよいかを考えて、それに即し
た売場を作ったり飽きがこないように商品アイテムの多様化を図り、さらに接客に
代表されるサービスの徹底を考えて消費者に対峙することは避けて通れない。
顧客志向を実現するには決して手間を惜しんではいけない。
無駄なことや非効率なこともやらなくてはいけないこともあり得る。
生産や販売効率を考えることは間違っていないが、それが消費者の購買動機や感性
に影響を及ぼすような結果は避けなければいけない。
買ってもらって始めて効率も追求できる。
今の花卉園芸は生産販売共に、その在り方は本末転倒だと思う。

花卉園芸で生計を立てる生産者や販売店は、そんな当たり前のことさえ理解出来て
いない気がする