フラワーEXPRESS

花や花き産業をテーマにした独り言&辛口コメント
<< October 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
SPONSORED LINKS
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | - | - |
発想を変える

今、図鑑が良く売れているという。
そのきっかけを作ったのが、小学生向けの「くらべる図鑑」のヒットによるらしい。
そんなことから本屋さんの前面に図鑑が並べてある。
これまでの図鑑は個別の詳細を記してはあるが、比較するという発想はなかった。
比較することで新たな発見や興味が湧くという子供達の心を刺激する編集方法になっている。
その発想は従来の考え方では思いつかないし、今まで以上に売れることもなかっただろう。
例えば水泳でも走りでも良いが、人や様々な動物たちと速度を比べることで図鑑を見ることにも
興味が出てくるだろうし、自然に知識も身につく。
まずは興味を持たせるにはどういった考え方で図鑑を作ると良いか、という目線で編集している。
それぞれの分断された情報よりも集約して比べることによって興味を持たせるという視点で売り
出されたのが「くらべる図鑑」である。

ここで重要なのは「人に興味をもってもらう」にはどうしたらよいか?という視点である。
これに填ってくれれば図鑑は売れていくことになる。
ちょっとした新たな発想で購買動機が生まれ、売れていくと言うことである。
どんな商売にしてもポイントは「顧客目線」が大切という証明だろう。
それをきっかけに色々な図鑑が売り出されて、購入されるようになっているという。

このような発想の転換は、今の園芸業界には必要だと思う。
何年も同じものを同じ売り方で勢いを失ってしまったのであれば、発想を変えて新たな提案を
するしか生き残る道はない。
どの店に出かけてもほとんど変わらない並べ方で、同じ植物を販売しているのを見ると、つくづ
く「この業界は駄目になっても仕方ない」と思ってしまう。
どの販売店も価格以外はほとんど何一つ変化がない。
単純に目当ての植物が欲しいのであればHCに行くだけで十分である。
何もわざわざHCより価格も高い専門店に行く必要はない。
「専門店」と自負するのであれば、専門店と言われるだけのオリジナリティと差別化が出来てい
なければわざわざ行く価値はないと言える。
どこでも購入できるような花苗ならば単純に品質が良い、とか品揃えがHCより優れていると言う
だけでは来店動機に大きな要因にはなりにくい。
それどころか、業界そのものに大きな低迷や停滞を生み出してしまうのである。
誰が考えたって毎年のように代わり映えもしない、それだけではなく購入者から見て大した価値
があるとは思えない流通名が変わっただけの草花を、独占的に販売するとかいうだけでバカ高
い価格で売るような時代後れの発想で勝負しようとする某グループがあるようだ。
目先を変えるというのは決して悪いことではないが、その効果は短いし、高価格であればあるほど
顧客を選んでしまう。
それは結果的に販売店自体のイメージを悪化させてしまい「あの店は高い」という評価になってし
まうことに繋がりかねない。
それがいつも指摘する「所詮パンジーはパンジー、ペチュニアはペチュニア」ということだ。
そんなものを400円も500円も出費させて買わせよう思う方がどうかしている。

いい加減植物という「モノ」を売る発想から変わらなければ、この業界はますます駄目になってし
まうだろう。




 
オリジナリティの大切さ
 
園芸分野に限らず何の仕事でも販売に関する限り消費者の支持がなければ成立はしない。

それも独りよがりのオリジナルでは駄目で、あくまでもトレンドや消費生活の実態を踏まえた提案や
商品選択でなければ売れていかない。
それには時代を見つめる目とそれを踏まえた上での提案がなければ持続しない。
ところが多くの場合、特に園芸の世界では消費者からのフィードバックを元にした選択や提案、さら
にプライスラインが構成されていない。
要は需給バランスを元にした価格体系や供給側からの勝手な選択やプライスが優先されていて、
未だにそれが改善されていない。
それどころか従来のものが売れないなら、これだったら売れるだろうとばかりにバカ高いプラグ苗の
定番種を投入して、少し動けば売れたと勘違いしている生産や販売現場がある。
しかし、いつも言うようにそれだけで市場は成り立っているわけではない。
様々な売り物のトータルで市場は形成されている。
その結果トータルでは前年比マイナスということを毎年のように繰り返してきているのだ。

それを如何に改善出来るかは、消費の現場やマインドを抜きにしては語れない。
市場の成立過程、成熟した市場、これからの市場形成や創造を考えた時、何を優先させて仕事や
販売の現場に活かしていくかを考えなければ、ますます市場は停滞していくことになる。

要するに総合的な判断力と理解力、そして市場を分析する能力が必要になるが、どうもそれが解ら
ない生産者や販売店が多い気がする。
そうしたことを経て生まれてくるのが、その生産者や販売店のオリジナリティということだ。
その核の部分に消費者の感性やトレンドが反映されなけば市場は動かないし、動いているものも、
いずれは衰退する。

消費者を知らない、或いは分析できない商売は伸びてはいかないのである。
但し、それは決して消費者に媚びを売ることではないし、へつらうことでもない。
そこで生きてくるのが「提案」という作業だが、それを知るには市場の分析や業界の在り方に疑問
を持つことから出発しなければ理解は難しいだろう、という気がする。

どこかの誰か世間話だろうが「○○の苗は売れましたか?」と言う程度の話ではない。
全く解っていないのに腹立たしくなる。




植物市場の破綻

ついに某花卉市場が破綻した。

噂は大分前から流れていたが、何とか持ちこたえていたのだろう、それも限界だったようだ。
この市場は前線のスタッフで何とかなっていたようなところがあって、経営者は?と言った感じの
花卉市場だった。
何年か前にガーデンセンターのコンサルを引き受けたときに利用した市場だった。
利用した理由は前線のスタッフ、それも当時主任だった人物の姿勢に共感していたからである。
関東から荷を引くのに自社便をもっていたことや、前線のスタッフの頑張りにあった。
ロベリアさんや当時の阪急のバイヤーをやっていた人、その他色んな販売店の人と知り合った。
当時は活気があって全国から荷が入ってきていた。
それも「今は昔」といった感じになっていた。
9月、生産者と一緒にその市場に出かけた時、セリ日だったにも関わらず荷が殆どなかった。
この秋まで持つだろうか?というのが率直な感想だったが、やはり持たなかった。
関西の別の市場でロベリアさんにあって「○○市場はどう?」って聞いたとき、もう難しいという言
葉が返ってきたが、その通りになってしまった。
頑張っていた前線のスタッフの多くは辞めてしまっていたし、当時の副社長や部長もいなかった。

今も懇意にしている当時のスタッフの一人は、会社の方針を諫めて社内では浮いてしまっていた。
それが元で市場を辞めたのだが、嫌なことを聞く耳を持つ経営者ではなかったのだろう。
社長は人当たりはよいのだが、結構くせ者のような人物だった。
別に憶えて貰っていなくても良いのだが、当時ガーデンセンターの仕入では年間ン千万円単位の
仕入をしていたと思うが、市場にしても結構大口の取引先だったはずである。
1週間に一度10トン車満杯の仕入をしていたのである。
ところがこの9月に出かけて会ったときには、私のことを憶えていなかった。
何度も顔を合わせていたのに・・・である。
個人的に憶えているかどうかではなく、自社の扱い高にそれなりの貢献をしてきたコーディネイト
役の私を憶えていないと言うことは、やはり経営者としては失格だと思う。
社長自身も広島までガーデンセンターを訪ねてきて、こちらも親会社の社長や部長を連れて市場
を訪ねて話をしている。
その後も店長について仕入の様子を何度も見に来ていたのである。
例え大口ではなくても自市場の買参人に関係のある人物くらい記憶に残しておけよ、と言うことだ。
少なくとも前線のスタッフの頑張りを知っていなければ使わなかった。
おそらく前線の頑張りがなければもっと早く倒産していた可能性がある。
それほどスタッフは頑張っていたと思う。

量販店向けの配送センターや切り花の加工をしていた施設などが重荷になっていたのだろう。
そうしているうちに園芸ブームは去り、扱い高も減少、一時期60億を超えていたが、一昨年には
20数億まで落ち込んでいたのではないだろうか。
特に量販店向けの植物をいち早く取り組んでいたが、その後多くの市場が量販店対象の営業を
かけ始めてきたこともあって、それが減少したことも業績悪化の一因だったのだろう。
ただ表向きの負債額が9億を超える程度らしくて、思ったほど多くないのは意外だった。
但し、現状の取扱高を考えるとそんなものかな、と言う気もする。

いずれにしても経営者への個人的な思いは別にして、辞めてしまった前線のスタッフのいた頃の
市場は好きな市場の一つだっただけに、少し寂しい気がするのも事実である。
やはりこの業界の厳しさをもっと真剣に受け止めなければいけないだろう。
まだまだ今後は色んなことが起こりえる可能性がある。
輸入種苗販売から始まった業界との縁を考えると、厳しいことばかり言っているが、特に生産者
には頑張って欲しいと思っている。




 
花卉園芸の経営スタンス

今、家電業界、特にTV販売の低迷と価格ダウンによってシャープ、パナソニック、ソニーが業績を
悪化させて苦しんでいる。
以前何度かブログでも取りあげてきて、ヒット商品が生み出せず3D対応TVについてもヒット商品
にはならないだろうと指摘してきた。
案の定ソフトが揃っていないこともあって、それほどのヒットにはなっていない。
国内の大企業を立て直してきた冨山和彦氏によると、こうした大企業にはアイデア商品は二流の
企業がやること、といった風土があるそうだ。
そうした時代錯誤の優越した姿勢が、こうした大企業にはある。
技術力が一流である限り販売が落ちることはない、と思ってきた節があるのだ。
そんな自惚れや不遜な姿勢が韓国を始めとした新興企業に後れをとってしまった。
そこにはデザイン力や消費性向さえも見失ってしまった様子が覗える。
市場が成熟してくるとモノは売れなくなるが、そうした分析さえも出来ていなかったことになる。
先進国の企業が持つ一流企業という自負は、市場を見失ってしまう典型かもしれない。

そこで園芸の世界はどうなのか?
何度も指摘しているように日本における花苗の市場はブームが去って、完全に市場は成熟から
衰退に入っている。
なぜこんなにも早く購買のサイクルが成熟化し衰退に近づいたのかと言えば、理由は一つだけ
ではないが、大きな理由として10や20の草花による余りにも限られた商材で市場形成してきた
ことがある。
同時に販売の前線でアフターフォローをしてこなかったことも重大な要因として挙げられる。
並べていれば売れていたことが、そうした購買サイクルを早めてしまったのだろう。
今になって様々な品種を並べても、もはや手遅れである。
さらに危険な兆候として、先日も指摘した定番品種の高単価路線がある。
なぜそれが良くないのかというのは、いつもいうように「適正価格」を明らかに逸脱していること、
そして所詮「仕掛品」でしかない草花が500円前後するような価格で店頭に並ぶのは異常だ。
購買層を考えた時、価格が高くなれば当然ながら自らが購買対象を絞り込むことになる。
ということは適正価格で買ってくれる購買層を結果的に排除してしまう。
ただでさえ市場が小さくなっているにも関わらず、さらに市場を狭めることに繋がりかねない。

前述の市場を見失った大企業の発想とさして変わりないのが、今の園芸業界なのだ。
市場創造も出来ないし、顧客を引き込む力もない。
それに輪をかけて悪化させるような価格のものを店頭に並べればどうなるか・・・
どう考えてもさらに購買力の低下を招くに決まっている。
これらのことがほとんど理解されていない。
その結果として生産者や販売店の今の状況に繋がっているのである。
それぞれがどの土俵で勝負するのか?明確になっていない。
自らが価格競争に飛び込んでしまったり、そうかと思えばまるで相反する高単価の品種を導入
して売上を確保しようとしている。
まるで節操もなければ、第一に顧客志向になっていないのが致命的である。

市場を活性化させようとすれば、常に顔は消費者に向けていなければならない。
そのことをもっと真剣に考えなければ生産も販売も回復することはないだろう。



業界の判断ミス

多くの場合、事業が衰退していく原因の一つに判断ミスがある。

特にあるとき栄華を経験した人はその当時から殆ど発想や方法を変えることなくやってきている。
過去の成功した経験則から脱却できずに、時代から取り残されてしまっていることに気付かない
ままに、現在も同じ方法で市場と向き合っているのだ。
その場合、状況の悪化していく原因を外に求めて、決して自分のせいにはしない。
今で言えば日本の経済状況に原因を求め、「いずれ良くなる」程度にしか思っていない。
こうした生産者や販売店は新しいことにたいして拒否反応を示し、自分たちが間違っていたとは
決して思いたくないのである。
それ故に自身が変化を興すことは出来ないし、願わくばこれまで通りの方法で市場が良くなるこ
とを期待しているのである。
自分が考えていることから目を離したくないのだろうが、顧客の志向の変化や商材の陳腐化とい
ったことすら考えが及ばないでいる。

例えばガーデンシクラメンが花苗として出てきたときに、多くのシクラメン生産者は「シクラメンを
商品化するのはそんなに簡単には出来ない」と話していた。
それによって鉢花のシクラメンが売れなくなるなんてことは考えもしなかっただろうし、同時に思
いたくもなかったのだろうが、鉢花のシクラメンの市場動向はこの有様である。
どう考えたって安価で気軽に楽しめるミニにしろガーデンにしろ、これだけ市場に溢れてくれば
鉢花のシクラメンなど商品価値が落ちるに決まっている。
ガーデンやミニなら使い勝手も良く、楽しみ方も色々あるが、鉢花のシクラメンは飾るしかない。
日本全国至る所から出荷される鉢花のシクラメンが売れなくなっているのは当たり前の話だ。

1年草の定番改良種を集中して作って出荷してきた生産者にしても同様である。
英国で出回る品種数で6万アイテムといわれる植物の中の僅か10や20の草花で、これから先
何年も活況が続くと思ってやってきた生産者、販売店もどうかしている。
全く市場原理や消費マインドが解っていないし、マーケティングセンスも何もない。
市場創造力はないし、販売センスもないままにやってきたことが、今の苦境に繋がっている。

もう10年近く前の話だが、ある生産者に「このまま活況が続くことはない」と言う話をして、彼が
言ったのは、おそらく逃げ口上だったのだろうが「今は設備資金を借り入れた返済をしている最
中で、それがもう少ししたら終わるのでそれから新たな植物栽培に挑戦をしたい」と言っていた。
その時敢えて言わなかったが、挑戦するタイミングや時期は待ってはくれないのである。
その彼が今やっていることは、コスト削減することに必死なのだろう、ポットの土の量を減らして
出荷している。
それも文句の出そうにないところの納品に、そんなせこいことをやっていたのである。
鈍すれば貧す、という言葉があるが、まさにそんな感じの生産者になってしまったのだろう。

販売店は?と言えばただ並べているだけ。
自店の特徴をアピールするわけでもなく、だからといって何一つの拘りもない。
そんな没個性の店で誰が買いたくなるのか、ということ。
当然顧客を育てる、リピート客を増やすといった作業やコンセプトなど全くないままに、市場が
狭小化していくのを、為す術もなく見ているのが精一杯である。

こんな状況下の花苗市場を回復する手だてはほとんど皆無と言って良いだろうが、そこまで
も深刻ではないところも多いような気がする。
何故なのか?その理由の一つは自前の土地と建物で、日銭が入ることにより何とか回してい
けるという特殊な環境にあるからなのだろう。
普通の企業ならとっくに潰れるか閉鎖するしかない事態であっても、その場を乗り切ればもう
1ヶ月は生き残れるとばかりに一生懸命自転車操業を何年も繰り返している。

このように多くの判断ミスを重ねて、さらに悪化し続けているのがこの業界である。
もしかするとこの業界の生産者や販売店は、救いようがないところまで来ているのかも知れな
いと思ってしまうが、実際はどうなんだろうか?
最終的に何も変わらないのがこの業界であれば、もう救いようがない。





最近のHC

今週末の寄せ植え教室に使う鉢を探しにHCへ出かけてみた。
本当は資材卸からの仕入を考えていたが、教授料に合わせようとすると良い鉢はそれなりの価格
なので難しいのである。

今回は2カ所の区民文化センターで行う。
公的な施設なので、元々利益を考えた開催ではなく、一人でも多くの人に生活の中に植物を取り
入れて欲しいと思って行うのである。
同時に植物の善し悪しを理解して貰うことも開催目的の一つだ。
まずは継続することを目標に置いている。
参加しやすいように何も持たずに来て貰うことを考えて、総てこちらで用意するので、当日は大変
だが、喜んで貰えればそれで良いと思っている。

そんな訳でこちらでは最も大きなHCの一つに出かけたのである。
ついでに植物売場を覗いてみると、以前のようにパンジー、ビオラのオンパレードということはなく
なっている。
所狭しと台車まで利用したパンジー、ビオラ中心の品揃えは、さすがのHCでさえやらなくなってい
ることに気付く。
そうした傾向は決して限られたHCのみというわけではなく、周辺のすべてがそうした売り方をやめ
ているのである。
如何に定番の植物が飽きられてきたか、ということだろう。
同時に安売りを前面に押し出さなくなっていることも注目に値する。
勿論市場出荷の多い定番植物は68円や78円で販売されているが、だから売れると言うことでは
なくなっていることがよくわかる。
こうした状況を見ると、これまで定番種を中心に生産してきた農家さんは、はっきり言って将来性
と言う意味では後がないところまで追い込まれている。
本人達はそれに気付いているのか、どうなんだろう?
特にこちらの生産者や販売店を見ていると、馬鹿の一つ覚えみたいに一生懸命定番の花を売ろ
うとしているが、全く購買心理が解っていない。
尤も潰れたり転けたりするのは、勝手にやったら?という感じではあるが・・・
時代のトレンドが読めないというのは全くつまらない話である。

ただそれとは別に、月曜日ということもあるだろうが、植物売場の人の少なさは、この業界を象徴
しているようで怖い。
このように市場が狭くなると、当然顧客数の減少は明らかだし、この後どこまで下がり続けるのか
は定かではないにしても、生産者・販売店共に、かなりこれからも苦戦が続くのだろうというのは容
易に想像ができる。
こうした事態はちょっとした間違いでも、顧客を大きく減少させる一因になりやすい。
それを避けるには、如何に顧客を繋ぎ止めることができるか、それが勝負になるだろう。

そんなことを考えながらHCの植物売場を回ってみたのである。


経済に見る園芸

日本の高齢化が経済に及ぼす影響として市場の狭小化がある。

国内経済を基準にすると、あらゆる分野で人口が占める役割は大きい。
競争社会ではあっても基本の部分では需給をベースにした微妙なバランスによって市場は構成
されているが、その基礎は人口構成や増減が影響を与えることになる。
従って高齢化とか少子化というのは国内経済を減速させるし、将来需要が望めないことになる。
つい最近まで、団塊の世代が大量にリタイヤする、それに伴って企業にはベテランがいなくなる
危機感と共に彼らを対象にした市場をあてにした消費に期待を寄せていたが、今のところそれほ
どのことでもない気がする。
園芸についても多かれ少なかれ期待をしていただろうが、浮上の気配さえない。

消費市場に必要なのは将来需要であり、今の需要は大切ではあっても事業の将来を左右する
将来需要はもっと重要だと言うことである。
ところが園芸の世界は若い人を取り込む努力や仕掛けをしてきていないこともあって、頼りは熟
年の人たちということになるが、将来の不安感も手伝ってそれほど手持ちのお金を消費に回さな
いだろう。
こうなると頼りにする年代はあてに出来ない、かといって今さら新たな市場を創出するのは並大
抵なことではない。
それに危機感を抱く企業は海外に新たな市場を求めている。
だが園芸は資本規模も小さく、取り扱う商材の特殊性から海外での展開は難しい。
そうなると嫌でも市場は国内に絞られるが、その国内市場は前述の通りであり、今後の需要は
かなり厳しくなるだろうことは明らかである。

当然、生産者、販売店共に淘汰されることになるだろうし、市場はもっと小さくなっていく可能性
が高い。
それを改善するには、これまでの考え方ややり方は通用しないことをいち早く理解することだ。
これから先の競争は完全に生き残りをかけた顧客の奪い合いになる。

経済の世界は園芸業界にも大きく関わってくることを少しでも早く知ることである。
そして市場を構成する歪な年齢層を、如何に変えることができるか?
それには何が必要でどのような展開をしなければいけないか、を考えることができる生産者や
販売店が生き残っていくだろう。
 
オフシーズンに向けて

考えてみれば無理もないことだが、秋のシーズンの終わる頃、もう一踏ん張りで年末商戦があり、
新年を迎えると途端に園芸業界は閑古鳥が鳴き始める。
それだけに年末まで何とか売上を確保したいという思いが強いだろう。
これは夏場を控えた春のシーズンも同様である。

実は園芸に携わる業界人にとって最も大切な時期はオフシーズンである。
特に販売店はそのシーズンに売れれば満足という感じになってしまうが、それでは駄目である。
それを繰り返してきて実績が下がってきている現実を、もっと厳しく認識するべきだろう。
オフシーンズンはオンシーズンに向けても助走期間であり、オンシーズンはオフシーズンに店を
活性化させた結果を知る期間でもある。
そのシーズン毎の結果を次に活かすには、今店で起きていることをしっかりと把握することが大切
であり、それを基に次のシーズンへの衣替えを実施しなければいけないし、当然お客様には、次に
期待して貰えるような提案や売り方が出来ていなければ、次への足がかりにはならない。
売れている時期には、とにかく売るのが精一杯で、ほかのことを考えられなかったり、仕入一つに
ついても、やたらそれほど価値があるとは思えないような高単価の植物を仕入れてしまったりする。
これでは「次はない」ということを考えるべきだろう。
演出の一つとして高単価苗モノを置くことは「見て貰う」価値だけで十分であり、それにはその単価
に見合うだけの価値が顧客に伝えることが出来るかどうかである。
その一方で定番の安価な植物を店頭に並べて、価格競争に参入してるような馬鹿げたことはする
べきではない。
一体何を売りたくて、どのように顧客に対して自店ブランドを認知して貰いたいのかさっぱり解らな
い店が圧倒的に多いのである。
そんなことだから園芸に関心を持ってもらえるようなアピールの一つもできないのである。

ある調査によると園芸への新規顧客獲得は最も難しく、年齢層も限られている。
いまある顧客層以外にどれだけ誘引できるかで勝負は決まるだろう。
そのための手だてを考えている販売店がどれだけあるのか?
せいぜい考えているのは「この植物は来年まで咲くか」とか「1年草か宿根草か」と言う程度のお
客さんの言葉に応えようとするくらいの程度の低いレベルの話で植物をみていることだ。
仕入一つ取ってみても自信を持って仕入れて「売り切る」だけの力がないのだろう。
これが「モノ」を売ることに拘っている証拠でもある。
そんなことだから今の時期は一生懸命パンジー、ビオラを売ろうとするような馬鹿げた販売店が
多いのである。
だからどうでもいいような「このパンジーは目がありこれまでこんなものはなかった」などというよ
うなことに一生懸命になっているのである。
人の感性など見た瞬間に「欲しい」と思うかどうかであり、目があろうがなかろうが関係ない。

こうした考えで仕入をしたり店作りをしているようでは浮上は難しい。
そうしてシーズンは終わり、「売れた、売れなかった」の世界になっていく。
まったくつまらない話である。
そこを抜け出すには「何をどのように考えて店作りをするか」、それには顧客アプローチをどうす
るのか、が全く論理的に展開されていないし考えてもいないのだろう。

まずはそこから発想を変えていく訓練を、販売店はしなければいけないような気がする。





 
やっと動き始めた花苗

ここにきてやっと秋らしくなってきた。

しかし明らかに季節が急激に変わるようになっている気がする。
今一番気になっているのが、アドバイスをおくっているあるお店だが、何とか危険水域を抜け出す
かもしれない。
関わって一年以上経過して、やっと変化の兆しがはっきりしてきたように感じている。
まだ油断は出来ないし、やらなければいけないこともたくさんあって、一つでも手を抜いたり甘い考
えで店を運営すると、あっという間に逆戻りする。
状況をより良く変えるのは並大抵ではないが、悪くなるのはすぐである。
もっと頻繁に出かけることが可能な距離ならば、もう少し細かいところまで指示できるのだが、なに
ぶんにも遠くて1ヶ月に一度覗くのが精一杯である。
別に園芸店に限らず消費者を顧客に持つ販売店は、明確なコンセプトを持ち、それが顧客に通じる
店作りでなければ、いくら頑張っても結果はついてこない。
飲食や物販の店作りをお手伝いしてきて、基本的な理論や変化の推移は、それが園芸店であって
もほぼ変わらない。
自店のアイデンティティとコンセプトに整合性があり、それがしっかり顧客に伝われば結果は間違
いなく付いてくる。
それでも昨今の日本の景気を考えると、かなり厳しい環境であることは変わらない。
こうした現実を超えて結果を出すのは、本当に困難である。
普通に今まで通りのことで店を運営しているならば、これから先はかなり危うい。
残念ながら知る限りではそういった店が大半を占めている。
本当に愕然とするくらい解っていない店が多いのである。
今で言えば相も変わらずパンジーやビオラで勝負出来ると思っている店がそうだ。
もはや植物だけで店の個性を発揮することさえ困難になっているというのに、未だに品種に拘り
バカみたいにパンジー、ビオラで仕掛けているつもりでいる店が相当数ある。
こうした店は他の花さえ売上が落ちてしまうことに気付かないようだ。
そうして何だか売れた気になっているが、年間を通して数字を追いかけてみると必ず減少してい
るはずで、その結果はせいぜい「他店も売れていない」ということに安心するのである。
償却もすんで、あとは自身の土地建物で営業をしている店でなければとっくに潰れているだろう
といった現実をもっと真剣に考えるべきだし、その鈍感さに呆れてしまう。

生産者にしてもパターン化した生産システムやアイテムを見直さない限り、今まで以上に伸びる
ことは難しいだろう。
画一的で硬直化した発想では生き残れないということを肝に銘じて栽培に取り組み、そして物流
も考え直すことが必要である。
特に一部の人や農場を除いた西日本の生産者は要注意である。

今から園芸市場は佳境に入っていくが、全体の動きは前年比3〜5%のマイナスになるだろう。
こうして落ちこぼれていく生産者、販売店が出てくるのだろうことは想像に難くない。







 
「花苗の価格」について

しつこいようだが、今日もポット単価の話。

マクドナルドが世界のバーガーシリーズとして高価格帯の売り込みを図ったが不振だったという。
期限を切って「テキサスバーガー」「ニューヨークバーガー」等といったものを売り出していた。
それが思ったほど売れなかったらしい。
売上高は前年同月比3.6%減、ところが客数は増えている。
客数が増えているのは「マクドナルド」というブランドの集客力が衰えていないということだが、商品
アイテムとしての高価格帯のバーガーは売れなかったということらしい。
TVCMを利用して売り込みを図ったが思ったほど成果は上がらなかったという。
マックを利用する客層は基本的に若い人である。
若い人はそれほど自由になるお金は所持していないから、高単価商品を浸透させるのは大変であ
り、元々安価を売りにしたマックのイメージは、高価格帯を売るには適していないようだ。

一度顧客に付いたイメージを打ち破るのは並大抵ではない、ということだろう。
そうした例が近くの量販店にある。
私の住む近くに利用するスーパーや量販店が5軒あるが、その中に近年出来た業務用スーパー
があり、昨今の景気の悪さも手伝ってこの店は顧客が多い。
そのあおりは食らったのは近くのスーパーで、それまで近隣では安く商品を提供していたが、業務
用スーパーが出来て以来、相当な来店数の減少が見られた。
それを挽回するために安売り競争を避けるべく、店舗改装を機に価格を上げたのである。
リニューアル当初はたくさんの人が詰めかけていたが、ものの1ヶ月も経たないうちに、見る見るう
ちに客数が減少している。
一度消費者についたイメージは拭えないという典型である。
安売り店より価格は安くできない、かといって今の価格では太刀打ちできない。
そこでリニューアルを機に安売りを止めて、少しばかり高級感を出した内装にして、そして什器も
かえて価格も上げた。
しかし、そんな意図のリニューアルもそれほど効果がなかったようである。
こうした日用品や食料品を扱う店にとって、特に価格に敏感な消費者を繋ぎ止めるのは困難を極
めるということを証明している。

最寄品を扱うこうした店と、園芸という買回品に近い商材を扱う専門店では購買動機が異なる。
しかし価格帯を変えたり、購買市場での適正価格をはみ出すような単価を中心にした品揃えは、
やがて顧客数の減少を招く事態に陥る可能性を秘めている。
最近の高価格帯植物が増えていることは、大いに問題があり、さらに園芸人口を減少させるかも
知れない。
特に植物は顧客にとって殆どブランドは存在しないし、生産者ブランドはそれ以上にない
生産者の善し悪し、品種の善し悪しは販売店や市場が勝手に評価しているだけのこと。
従って新品種と称して流通名が異なるだけの植物だったり、僅かな違いのものを高価格で店頭
に並べるのは、停滞の続く園芸業界を、さらに業績悪化をもたらす可能性がある。

但し、勘違いしてはいけないのは高品質なものを作る生産者は存在するということ。
特に販売店は、前述のようなことに惑わされず、出来るだけ品質の良い植物を出荷する生産者
のものを扱い、それを確実に購買者に伝えるような仕組みやサポートをしながら、自店の価値を
高めることで、出来る限りリーズナブルな価格で販売するように心がけるべきである。
その中に明らかに品質がよく、品種としての価値があるものを幾つか高価格で扱うことは決して
悪いということではない


消費者の購買心理をしっかり把握した商品構成や価格帯を考えることが、生産者や販売店に
は求められていることを忘れないことである。